双方向知覚交差:赤ちゃんにとってコミュニケーションをインタラクティブにするものとは?

双方向知覚交差:赤ちゃんにとってコミュニケーションをインタラクティブにするものとは?

社会的相互作用は、赤ちゃんの言語習得に重要な役割を果たすことが示されています。この優位性には、偶発的に起こる双方向の相互作用が中心的な役割を果たすと考えられていますが、これらが個別に検証されてきたことはほとんどなく、赤ちゃんの言語学習にどの程度影響を与えるかは具体的にはまだ明らかになっていません。

この研究では、抽象的な相手の存在以外の社会的手がかりを省いた状態で、リアルタイムの社会的相互作用を赤ちゃんがどのように知覚し反応するかを調べます。本研究では、成人の研究で広く使われている「知覚交差パラダイム」という方法を(例:Auvray et al.2009、Hermans et al.2020)赤ちゃんにも適用できるよう、視線計測の方法を用いて調査します。まず、赤ちゃんの相互作用において、偶発的に起こる相手の存在知覚だけで十分であるかどうかを調査します。さらに、この双方向の知覚が赤ちゃんの言語学習をより効果的なものにするかどうかを調査します。

References

Auvray, M., Lenay, C., & Stewart, J. (2009). Perceptual interactions in a minimalist virtual environment. New Ideas in Psychology, 27(1), 32–47. https://doi.org/10.1016/j.newideapsych.2007.12.002

Hermans, K. S. F. M., Kasanova, Z., Zapata-Fonseca, L., Lafit, G., Fossion, R., Froese, T., & Myin-Germeys, I. (2020). Investigating real-time social interaction in pairs of adolescents with the Perceptual Crossing Experiment. Behavior Research Methods, 52(5), 1929–1938. https://doi.org/10.3758/s13428-020-01378-4